メヌエット ~絵里加

「ケンケン、急に伸びたよね。昔は絵里加の方が大きかったのに。」
 
「中3からかな。急に身長が伸びる時、骨が伸びる音 するんだよ。」
 

「本当?どんな音?」

絵里加は驚いて、健吾を見る。

健吾は、悪戯っぽい目で笑う。
 

「あー。またからかった。」


口をすぼめた絵里加の頬を、健吾は指で優しく突く。
 

「でも、骨が伸びる感じがするの。本当だよ。」


健吾が触れた頬が熱くて、同じくらい胸も熱くて。

絵里加は切ない目で、健吾を見つめた。
 


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