メヌエット ~絵里加
「海に行こうか。」
ゆっくりコーヒーを飲んでから、健吾は言う。
「うん。行く。」絵里加は頷く。
伝票を取る健吾。
絵里加がお財布を出すと、黙って手で制した。
絵里加は、静かに頷いてお財布をバッグに戻す。
店を出て、
「ごちそう様でした。」と健吾に言う。
手を揃えてお辞儀をして。
健吾は、そんな絵里加の肩を 愛おしそうに抱いた。
「どういたしまして。」と言って。
健吾に肩を抱かれて、海岸まで歩く。
手を繋いでいる時よりも、親密で。
恋人感が増している。
絵里加は照れて、健吾を見上げる。
健吾は そんな絵里加の頭を 自分に引き寄せた。