メヌエット ~絵里加
いつものように、夜健吾からLINEが届く。
それを受ける 絵里加の気持ちは 昨日と今日では 大きく違う。
《今日は、楽しかったね。また行こうね》
健吾の言葉に、胸が高鳴る。
すぐにでも会いたいと思ってしまう。
そっと肩を抱かれるためだけに。
《すごく楽しかったね。色々ありがとう》
絵里加も、心からお礼を言う。
《どういたしまして。ママに叱られなかった?》
健吾は優しく聞いてくれる。
《大丈夫。でも ママは気付いているみたい。絵里加の嘘に》
絵里加は正直に言う。
《家族に隠すの、つらいでしょう。絵里加の家族 仲良しだから》
健吾は、絵里加の気持ちをわかってくれる。
子供の頃から知っているから。
絵里加の家族のことも。
《秘密は大人のしるしだから》
絵里加は少し、強がって言う。