メヌエット ~絵里加
そのうち壮馬も帰って来て、父は健吾に夕食を勧める。
素直に応える健吾は、父と壮馬と三人で話し 絵里加は母を手伝う。
手早な母の、温かな家庭料理。
ロースカツにかつおのたたき。玉子サラダに筍ご飯。
健吾は “美味しい” を連発して、きれいに食べていく。
父と母は、健吾を満足そうに見つめる。
絵里加も、温かな幸せで 胸がいっぱいだった。
食後はコーヒーを飲みながら 弟も一緒に色々話し 8時過ぎに 健吾は帰って行く。
健吾の家まで、歩いて15分くらい。
健吾を送り出す父は、
「デートのときは、迎えに来て上げて。」と言う。
「ごちそう様でした。遅くまで。軽井沢、楽しみにしています。」
健吾は明るい笑顔で帰る。
一瞬、絵里加を優しく見つめて。