メヌエット ~絵里加

木曜日から日曜日までの休日。

絵里加達家族は 渋滞を避けて 水曜日の夜に出発し 土曜日の午前中には帰る。

父の車と、樹君の車。

お祖父様とお祖母様は、絵里加の父の車に乗る。
 

「絵里ちゃんの彼、どんな人なの。」お祖母様に聞かれる。
 
「とてもいい子だよ。明るくてハキハキしていて。間宮化学の息子さんだよ。」

父が答えると、
 
「へえ。間宮化学の先代には、何度か会ったことがあるよ。とても立派な方だよ。」

お祖父様も言う。
 

「紀之と同じ年頃の息子さんがいて うちより少し早く 社長を譲ったんだよ。」
 
「それが、ケンケンのお父さんだよ。立派な方だよ 今の社長も。」

お祖父様と父の会話は 別の世界の話しで 絵里加は黙って聞いていた。
 

「絵里加とは、小学校から一緒で。家が渋谷だから 翔も知っていると思うよ。」

父の言葉に、お祖母様が
 

「幼なじみなの?パパ達と同じね。」

と、絵里加を見て微笑む。
 


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