メヌエット ~絵里加
別荘に着いて、みんなに挨拶をする健吾。
お祖父様達も、伯父様達も、すぐに健吾を受け入れてくれる。
「ケンケン、後継者同士 助け合おうよ。」
大学を卒業して、廣澤工業で働いている樹君が健吾の肩を叩く。
「はい。宜しくお願いします。」
元気よく、丁寧に頭を下げる健吾に みんなは声を出して笑う。
「別荘っていいですね。うちは 別荘がないから。ホテルだと こんなに寛げないんです。」
広いリビングを見回して、健吾は言う。
「これからは、一緒においでよ。冬はスキーにも行けるから。」
伯父様が言う。健吾は、嬉しそうに
「本当ですか?楽しみが増えるね。」と絵里加を見つめた。
昼食は、近くのホテルで食べる。
全員が2台の車に乗り合せて、賑やかに移動して。
食事から戻ると、
「二人で、遊びに行って来たら。」
と父に言われて、健吾と自転車で出かける。
「夕食は、バーベキューをするから。それまでには、帰ってね。」
母も、優しく見送ってくれる。