メヌエット ~絵里加
バレエの公演は、6月最初の土曜日。
健吾の家に行った時、バレエの話題になり、
「もし良かったら、公演を見に来て頂けますか?」
と絵里加は、健吾の両親を誘った。
「いいの?行きたいわ。」お母様は笑顔で。
「是非見たいね。綺麗だろうなあ。」お父様も、快く答えてくれた。
レッスンを終えて家に着くと、
「絵里ちゃん、チケットが届いたわよ。」と母に言われる。
「ママ、ケンケンのおうちにも、チケット渡していいかな。」
母は毎回、余分に購入して知り合いに 配っていた。
いつも陽子達にも渡す。
陽子達は大きな花束を持って、公演を見に来てくれる。
「もちろんよ。絵里ちゃん、今届けてきたら?」
母は、封筒に分けたチケットを 絵里加に手渡しながら言う。
「明日、ケンケンに渡すよりも、絵里加が届けた方がいいかな?」絵里加は聞く。
「そうね。その方が、絵里ちゃんの気持ちが伝わると思うわ。まだ7時前だから。行ってらっしゃい。」
母に言われて、絵里加は健吾の家に向かう。
一人で来るのは初めてで、少し緊張してインターフォンを押す。
「こんばんは。廣澤です。」
「絵里ちゃん?」
健吾のお母様はエプロン姿で、少し驚いてドアを開けた。
「突然、すみません。あの、これ。バレエ公演のチケットが来たので。」
絵里加は封筒を差し出す。
「わざわざ、持って来てくれたの?ありがとう。」
お母様は、嬉しそうに受け取る。
健吾の妹も、玄関に出て来て
「こんばんは。」と挨拶をしてくれる。
「恭子ちゃん?大きくなったわ。」絵里加も笑顔を向ける。
「絵里ちゃん、上がって。お茶でも。」と言うお母様に
「もう遅いので。また、ゆっくりお邪魔します。」と丁寧に言う。
「健吾に送らせるから。ちょっと待っていてね。」
とお母様は言い、健吾を呼びに行く。
「絵里ちゃんが、お兄ちゃんの彼女って聞いて。私、すごく嬉しかったの。」
絵里加と二人になった健吾の妹が言う。
「ありがとう。これから、仲良くしてね。」
絵里加は、妹の言葉がとても嬉しかった。
「最高。私、みんなに自慢しちゃうわ。」
二人、ニコニコと話していると
「絵里加。どうしたの?」と健吾が出てくる。
絵里加は、笑顔で健吾を見る。
「公演のチケット、届けてくれたのよ。」
お母様が、とても嬉しそうに言ってくれる。
「健吾、絵里ちゃんを送ってあげて。」
そう言うお母様と妹に 絵里加は丁寧に挨拶をして 健吾と一緒に 家を出た。
「絵里加、わざわざありがとう。」
健吾は家を出て 角を曲がると 絵里加の肩を抱く。
「ううん。早く届けたかったから。それより また送ってもらって ごめんね。」
絵里加も健吾の肩に寄り添う。
「そんなこと、大丈夫だよ。絵里加の気持ちが、嬉しいよ。」
絵里加を抱く腕に、力を込めて言う。
「絵里加も、またケンケンに会えたから。」
健吾を見上げて、絵里加は微笑む。
「ありがとう。」絵里加は、来て良かったと強く思っていた。
健吾の家に行った時、バレエの話題になり、
「もし良かったら、公演を見に来て頂けますか?」
と絵里加は、健吾の両親を誘った。
「いいの?行きたいわ。」お母様は笑顔で。
「是非見たいね。綺麗だろうなあ。」お父様も、快く答えてくれた。
レッスンを終えて家に着くと、
「絵里ちゃん、チケットが届いたわよ。」と母に言われる。
「ママ、ケンケンのおうちにも、チケット渡していいかな。」
母は毎回、余分に購入して知り合いに 配っていた。
いつも陽子達にも渡す。
陽子達は大きな花束を持って、公演を見に来てくれる。
「もちろんよ。絵里ちゃん、今届けてきたら?」
母は、封筒に分けたチケットを 絵里加に手渡しながら言う。
「明日、ケンケンに渡すよりも、絵里加が届けた方がいいかな?」絵里加は聞く。
「そうね。その方が、絵里ちゃんの気持ちが伝わると思うわ。まだ7時前だから。行ってらっしゃい。」
母に言われて、絵里加は健吾の家に向かう。
一人で来るのは初めてで、少し緊張してインターフォンを押す。
「こんばんは。廣澤です。」
「絵里ちゃん?」
健吾のお母様はエプロン姿で、少し驚いてドアを開けた。
「突然、すみません。あの、これ。バレエ公演のチケットが来たので。」
絵里加は封筒を差し出す。
「わざわざ、持って来てくれたの?ありがとう。」
お母様は、嬉しそうに受け取る。
健吾の妹も、玄関に出て来て
「こんばんは。」と挨拶をしてくれる。
「恭子ちゃん?大きくなったわ。」絵里加も笑顔を向ける。
「絵里ちゃん、上がって。お茶でも。」と言うお母様に
「もう遅いので。また、ゆっくりお邪魔します。」と丁寧に言う。
「健吾に送らせるから。ちょっと待っていてね。」
とお母様は言い、健吾を呼びに行く。
「絵里ちゃんが、お兄ちゃんの彼女って聞いて。私、すごく嬉しかったの。」
絵里加と二人になった健吾の妹が言う。
「ありがとう。これから、仲良くしてね。」
絵里加は、妹の言葉がとても嬉しかった。
「最高。私、みんなに自慢しちゃうわ。」
二人、ニコニコと話していると
「絵里加。どうしたの?」と健吾が出てくる。
絵里加は、笑顔で健吾を見る。
「公演のチケット、届けてくれたのよ。」
お母様が、とても嬉しそうに言ってくれる。
「健吾、絵里ちゃんを送ってあげて。」
そう言うお母様と妹に 絵里加は丁寧に挨拶をして 健吾と一緒に 家を出た。
「絵里加、わざわざありがとう。」
健吾は家を出て 角を曲がると 絵里加の肩を抱く。
「ううん。早く届けたかったから。それより また送ってもらって ごめんね。」
絵里加も健吾の肩に寄り添う。
「そんなこと、大丈夫だよ。絵里加の気持ちが、嬉しいよ。」
絵里加を抱く腕に、力を込めて言う。
「絵里加も、またケンケンに会えたから。」
健吾を見上げて、絵里加は微笑む。
「ありがとう。」絵里加は、来て良かったと強く思っていた。