悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く～破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます～

「お父様、お母様。私は、先生をお部屋に案内します。お父様とお母様は、のんびりなさっていてください。ソニアにお茶を用意してもらうから」
「かしこまりました！」

　両親はソニアに任せ、レオンティーナは医師を部屋に案内する。
　母の部屋のすぐ側に用意した部屋は、ベージュと茶を基調に、落ち着ける雰囲気を心がけて調度品を用意した。その他、医師に必要であると思われる品々も、できる限りは用意した。
　室内を見回し、医師はにっこりと微笑んだ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

「ありがとうございます、お嬢様。素敵なお部屋ですね」
「できる限りは用意したつもりですが、足りないものがあれば、なんでも言ってください。枕が合わなければお取り替えしますし……」

　領地内に住んでいる医師に相談し、必要なものはそろえたつもりだ。だが、ロアの方が医術は進んでいる。足りないものがあるかもしれない。

「お嬢様は、しっかり準備してくださったんですね。足りないものはないと思いますが、出てきたらお願いしますね」