悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
 ロアには湖などないから、ルイーザは大はしゃぎだ。

「ねえ、ソニア。一緒に行きましょうよ!」

 ソニアの手を引いてねだる。ソニアが困った様子になったので、レオンティーナは手を振った。

「ルイーザ殿下のご命令だもの。行ってらっしゃい、ソニア。護衛とはぐれないようにね」
「かしこまりました」

 ルイーザはソニアの手を引いて、湖の方に向かう。
 護衛の一部がふたりに付き添うのを見送り、レオンティーナは、馬車からバスケットを取り出した。
 次に取り出したのは大きな敷物だ。それを木陰にふわりと広げる。
 紅茶の入ったポット、密閉容器に入れられたミルクと砂糖もバスケットにおさめられている。

「……料理長、ものすごく頑張ってくれたんだわ!」

 バスケットの蓋を開いて、レオンティーナは声を上げた。
 コールドチキンのサンドイッチに、ローストビーフのサンドイッチ。卵と野菜を挟んだものや定番のハムとチーズのサンドイッチもある。
 食後にはベリージャムのミニパイとレモンカードのミニパイにドライフルーツを使ったパウンドケーキ。食べやすくカットした果物も用意した。
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