悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
レオンティーナと同じ真っ黒の瞳。まだ、髪はぽやぽやとしているが、同じように黒くなるだろう。ハイラムは、口をもごもごと動かしている。
「可愛い……ハイラム、あなたは本当にかわいいわね」
指をハイラムの手から引き抜き、そっと頬に触れてみる。ぷにぷにとした頬は、指の先でつついているととても柔らかかった。
「大公、私、ハイラムにおもちゃを贈ってもいいかしら?」
「ルイーザ、母上に知らせないと!」
ヴィルヘルムとルイーザは、ばたばたと居間を出ていく。
(……また、運命が変わったのね)
弟が生まれたのだから、レオンティーナが皇位を目指す障害がひとつ減ったことになる。やはり、跡取りがいるのといないのとでは違うから。
(ハイラム。私の可愛い弟)
前世の弟には、愛情なんてまるで感じなかったのに今回は違う。この子を守るのは自分の役目なのだと、そんな思いが込み上げてくる。
「お父様、私、いい姉になれるように努力するわね。お母様には、会えるかしら?」
「今は疲れて眠っているから、明日の方がいいだろうね」
乳母の腕の中で目を閉じた弟を見ながら、レオンティーナは改めて誓う。
「可愛い……ハイラム、あなたは本当にかわいいわね」
指をハイラムの手から引き抜き、そっと頬に触れてみる。ぷにぷにとした頬は、指の先でつついているととても柔らかかった。
「大公、私、ハイラムにおもちゃを贈ってもいいかしら?」
「ルイーザ、母上に知らせないと!」
ヴィルヘルムとルイーザは、ばたばたと居間を出ていく。
(……また、運命が変わったのね)
弟が生まれたのだから、レオンティーナが皇位を目指す障害がひとつ減ったことになる。やはり、跡取りがいるのといないのとでは違うから。
(ハイラム。私の可愛い弟)
前世の弟には、愛情なんてまるで感じなかったのに今回は違う。この子を守るのは自分の役目なのだと、そんな思いが込み上げてくる。
「お父様、私、いい姉になれるように努力するわね。お母様には、会えるかしら?」
「今は疲れて眠っているから、明日の方がいいだろうね」
乳母の腕の中で目を閉じた弟を見ながら、レオンティーナは改めて誓う。