悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
「ねえ、ソニア。あなたが何を問題にしているのか、私さっぱりわからないのだけれど……まさか、クッキーを間違えたことを私がそんなに怒っている、と思っているわけじゃないわよね?」
「違うんです、お嬢様……私は、お嬢様を裏切りました」
顔色の悪いソニアの目からは、ぼろぼろと涙が落ちた。こんな風になったソニアを見るのは久しぶりだ。
ヴィルヘルムの前で、泣いていた彼女にハンカチを差し出した時が最後ではないだろうか。
「大げさね、あなたってば」
ソニアがレオンティーナに恩義を感じているのは知っているけれど、こんなにも大げさに振る舞うなんておかしくなってしまう。
くすくすと笑っていたら、涙で頬を濡らしたソニアは顔を上げた。
「――違うんです、お嬢様。私は罪を犯しました」
「大げさって言ったばかりじゃないの。いい加減にしな――」
けれど、レオンティーナの言葉はそこで途切れた。弾かれるように立ち上がったソニアが、レオンティーナの手を取ったからだ。
「私の部屋にいらしてください」
涙をぬぐうのも忘れた様子のソニアに、手を引かれるようにしてレオンティーナは廊下に出た。
「違うんです、お嬢様……私は、お嬢様を裏切りました」
顔色の悪いソニアの目からは、ぼろぼろと涙が落ちた。こんな風になったソニアを見るのは久しぶりだ。
ヴィルヘルムの前で、泣いていた彼女にハンカチを差し出した時が最後ではないだろうか。
「大げさね、あなたってば」
ソニアがレオンティーナに恩義を感じているのは知っているけれど、こんなにも大げさに振る舞うなんておかしくなってしまう。
くすくすと笑っていたら、涙で頬を濡らしたソニアは顔を上げた。
「――違うんです、お嬢様。私は罪を犯しました」
「大げさって言ったばかりじゃないの。いい加減にしな――」
けれど、レオンティーナの言葉はそこで途切れた。弾かれるように立ち上がったソニアが、レオンティーナの手を取ったからだ。
「私の部屋にいらしてください」
涙をぬぐうのも忘れた様子のソニアに、手を引かれるようにしてレオンティーナは廊下に出た。