悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く～破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます～

「ロニーとやら。あなたは、ソニアが大切なのね？」

　レオンティーナの言葉に、ロニーは唇を引き結んだ。だが、彼の視線は宙をさ迷い、うろたえているのがありありとわかる。

「お嬢様、私がいけないのです！　ここによその者を入れてはいけないとわかっていたのに――」
「お黙りなさい、ソニア」

　床の上に平伏し、許しを請うソニアに、レオンティーナは氷のような目を向けた。

「ロニー……あなたのせいで、ソニアは困ったことになっているの。この屋敷を追い出される程度ですめばいいけれど……ヴィルヘルム様の暗殺犯を匿ったのだから、ソニアも同罪だわ。皇宮の牢に入れなくてはね。あなた達――ソニアを、連れて行きなさい」

　レオンティーナの命令と共に、どやどやと部屋に入ってきたのは大公家の男性使用人達だった。専門の護衛ではないが、いざという時には護衛の役も務められるよう皆、鍛え上げている。
　ソニアが悲鳴を上げ、ロニーがベッドから転がり落ちそうになった。

「お許しください、お嬢様！　私は彼を放っておけなかっただけなんです！」