悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
 今までひとりも殺したことがないとロニーが言っていたと証言したソニアが嘘をついたかロニーに騙されていたということになる。
 今までにひとりでも暗殺していたら、ソニアを見捨てるなんて軽くやってのけるだろうと思ってのことだったけれど、ロニーはそうしなかった。
 彼の言葉を完全に信じるのは難しいにしても、まだ、まっすぐなところは残っているのだとレオンティーナは判断したのだ。

「とにかく、あなたを動かしても大丈夫だそうだし、ヴィルヘルム様に連絡をするわ。あとは、ヴィルヘルム様と連携して動くことにしましょう」

 ロニーについても、罪の償いはしてもらわなければならない。だが、ソニアが会いたがっていた人間だ。命までは奪われないよう、レオンティーナも手を尽くそうと決める。

「それでいいわね?」
「……わかった。俺は、反対なんてできる立場じゃないしな」

(……これを好機ととらえたらいいのよ)

 ヴィルヘルムの暗殺犯が掴まった――怪我を負ってはいるが、犯人を白状しそうである。
 そう噂を広めたら、皇妃に揺さぶりをかけることができるかもしれない。
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