悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
「た、ただの、ただの幼馴染で! 久しぶりに会ったから心配なだけで!」
「我が家は、使用人は結婚禁止というわけではないわよ。罪を償ったあと、ロニーを雇ってもいいんだし」

 そう付け足せば、ソニアは、真っ赤なままぶんぶんと勢いよく首を横に振った。だが、表情がいくらか柔らかくなっている。

(そんな風に思える相手がいるのはいいことよね)

 ロニーに対するソニアの気持ちは、ヴィルヘルムに対するレオンティーナの気持ちのようなものなのだろうか。
 今日は、皇宮で開かれるパーティーに出席することになっている。大掛かりなものではないけれど、ヴィルヘルムの無事を喜ぶという名目のようだ。
 クローゼットのドレスの中から今日初めて袖を通す、ライムグリーンのドレスを選んでレオンティーナは屋敷を出た。
 パーティーに招待されているのは、レオンティーナと同年代の貴族が多かった。まだ結婚の決まっていない男女を引き合わせようという計らいでもあるのだろう。
 皇子達も出席の予定であり、この機会に皇子の心を射止めようという令嬢達は、気合いを入れて着飾っていた。
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