悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
 レオンティーナ自身、前世とは大きく変化した。
 前の人生では、自分のことが大嫌いだったけれど、今は違う。前世では誰もレオンティーナを愛してくれなかった。それも当然だ。前世では、レオンティーナも誰も愛さなかった。
 少なくとも、二度目の人生は後悔しないで生きていくことができる。
 父、母、ハイラム――ソニア。皆、大切な人だ。もうすぐロニーも罪の償いを終え、バルダート家で雇われることになるだろう。
 そして、誰より大切な人が、今、目の前にいる。

「どうかしたのか?」
「いいえ。なんでもありません――私、あなたに会えてよかったと、そう思っているんです」

 素直な感情を口にすれば、ヴィルヘルムは真っ赤になった。それを見て、レオンティーナも頬を染める。

「それなら、今日は俺にエスコートを任せてもらおうかな。というか、バルダート大公の許可はもうもらってあるんだが」
「手回しがいいですね。はい、よろしくお願いします」

 くすりと笑ったレオンティーナは、ヴィルヘルムが差し出した腕にそっと自分の手を添えた。
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