悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
第三章 初めてのお出かけ
ソニアを手元に引き取ることに成功したレオンティーナは、しばらく領地には戻らず、皇都であるロアに残ることにした。
本格的に後継者争いに乗り出すのはまだ先のこととしても、今手に入れることのできる情報はすべて入手しておきたかったのだ。
(皇宮の図書館に入ることができれば一番いいんだけど、なかなか許可が下りないのよね)
この国の情報はすべて皇宮の図書館に集約される。だが、そこに入るためには、皇帝の許可が必要であった。
レオンティーナも父を通じて許可を願い出ているけれど、もう少し時間がかかりそうだ。それまでの間は、ロアにある大学の図書館を使わせてもらうことにした。
母は領地に帰るものだと思っていたが、しばらくロアの屋敷に残るらしい。
(これはこれで、いい傾向なのよね、きっと)
両親の関係は、レオンティーナが望んだ方向に進んでいるようで、以前ほどはぎすぎすしていない。
問題があるとすれば、ソニアの教育だろうか。侍女としての修業を始めたところなのだが、侍女として働くには足りないことが多すぎる。
「お嬢様、今日のドレスはどちらになさいます?」