悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
 最初のうちは母の侍女がつきそって教えてくれていたのだが、昨日からはソニアひとりでレオンティーナの支度を調えることになった。ここから先は、レオンティーナがソニアを仕込むことになる。

(お父様とお母様は、私がちゃんとソニアを侍女として仕込めるかどうかも見ているのよね)

 これは、レオンティーナに対する両親からの試験でもある。ソニアの働きぶりに不満があったり、レオンティーナが侍女としてきちんと躾けられなかったりすれば、ソニアは他の部署に回されてしまうだろう。

(ソニアに区別がつかないのは、しかたのないことよね)

 外出用のドレスは、家向きのドレスよりも華やかに仕立てられている。家にいる時は、勉強をしたりダンスのレッスンをしたりするので、動きやすい服装の方がいい。
 とはいえ、貴族令嬢の身に着けるものであるから、レースやフリル、リボンや花飾りなど何かしらあしらわれている。
 ソニアの目にはどれも外出に着用してもおかしくないように見えるし、逆に外出用のドレスも家で着ているのと何の違いもないように見えるらしい。

「申し訳ないです……」

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