僕の1番大切な人【リニューアル版】
特別な感情がないから、何のためらいもないんだよな。


だったら、僕も…


普通に、泊まらせてもらえばいいんだよな。


姉さんを想う、この気持ちを隠して…


頭の整理がつかないままだったけど、僕は、笑顔でひとこと言った。


『ありがとう、じゃあ、今日は泊まってく』


僕は、かすかな声の震えに気づかれないか、心配になった。


コーヒーを飲んだら、姉さんがお風呂を勧めてくれた。


お風呂に入っている間も、僕は、全く落ち着かずにいた。


リラックスなんて出来ない。


困った...


本当に困った。


いい加減、落ち着け!


そう自分に言い聞かせるけど、やっぱり無理みたいだ。


僕は、本当に姉さんが好きで、いつも姉さんのことが頭から離れない。


そんな人とひとつ屋根の下にいるんだ…


冷静でいられるわけがない。


とりあえず、僕は、湯船にしばらく浸かった。


何度も深呼吸をしながら…
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