僕の1番大切な人【リニューアル版】
『こんなの別にオシャレじゃないよ。でも、良かったら今度...』


そう言おうとした瞬間、姉さんに電話が入った。


『ごめん、あの人からだわ』


兄さんからの電話…


僕が、姉さんに言おうとした言葉をさえぎるように電話が鳴った…


まるで、遠くから見張られてたみたいだ…


でも、『姉さん、良かったら、今度一緒に洋服選んで欲しいな』 なんて…


そんな大胆なこと...


言おうとした僕が悪かったんだ…


その言葉を封印して、僕は、兄さんと電話中の姉さんにジェスチャーでお礼を言って、さっと家を出た…


何か、急に、すごく恥ずかしくなった…


軽々しく姉さんを誘おうとした自分が。


いたたまれないよ…


大学生にもなって、少し考えればわかることじゃないか。


それが、正しいことなのか、ダメなことなのかくらい…


本当に…


情けないよ、僕は…
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