僕の1番大切な人【リニューアル版】
『そうなんだ。バイト大変だったんだね。凌馬君が来ないと寂しいから』


姉さん…


頼むから、そんな簡単に寂しいとか言わないで…


『あの人も、最近、凌馬君が来ないの、気にしてたわよ。彼女でも出来たのかって』


姉さんが、ニコッと、微笑んだ。


そんな優しい顔で、さらっと言われたら…


本当に悲しくなる。


『凌馬は、本当に彼女いませんよ』


ユウが、言った。


『この前も2人とも彼女いないって言ってたけど、本当にいないの?』


姉さんが、質問した。


『いませんよ。本当に2人ともいません』


ユウが、答えた。


『不思議だね、こんなに2人ともかっこいいのに、彼女いないなんてね』


姉さん…


その2人が2人とも、姉さんのことが好きなんだよ…


姉さんは、そんなこと、微塵も知らないんだ。


『僕は、彼女とか、そういうんじゃなくて、本当にバイトが忙しかったんだ』


『頑張ってたんだね』
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