僕の1番大切な人【リニューアル版】
姉さん…


やっぱり、知ってたんだ…


姉さんのそんなつらい顔…


見たくなかった…


『愛美さん、やっぱりご主人の浮気のこと、知ってたんですね』


『え、ユウ君も知ってたの?もしかして凌馬君も?』


ユウと僕、2人ともうなづいた。


『姉さんは、いつから知ってたの?』


『…半年くらい前からかな』


僕は、また、驚いた。


そんな前から知ってたんだ…


気づいてて、我慢してたって言うのか?


『愛美さんは、浮気されたままで、それで幸せなんですか?』


ユウが、真剣な表情で言った。


『そうね...私にとっての幸せって何だろうね。あの人と別れて、新しい誰かと結婚しても、やっぱりまた同じことの繰り返し。子どもが出来ないことで、絶対に相手を苦しめてしまうの』


そう答えて、姉さんは、下を向いてしまった。


『姉さん...そんな悲しいこと言わないで』
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