僕の1番大切な人【リニューアル版】
姉さんは、1人で、ずっと苦しんで来たんだ。


僕は…


そんな気持ちに何も気づいてあげれなくて、ただ、自分の好きだって感情で、浮かれたり落ち込んだりしてただけだったんだ…


本当に…自分勝手で、最低だ。


情けないにも程がある。


自分で、自分が許せなかった…


姉さんは、それからしばらく話して、眠った。


いろんなことがあって、体も気持ちも…きっと、疲れたんだろう…


部屋の小さめのテーブルの上には、飲み残しのワインが置かれている。


グラスも3つ…


僕は、ユウとまだ話したかった。


『ユウ...今日は、いろいろとありがとう』


『いや…こっちこそ、楽しかったよ。凌馬、ありがとう』


前より、明らかによそよそしい空気を、お互いが感じていた。


『なあ、ユウ。ユウの本当の気持ち、聞きたい』


その僕の質問に対して、ユウは、ゆっくり考えてから答えた。
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