僕の1番大切な人【リニューアル版】
友との時間
姉さんのこと、気になりながらも、朝食を済ませて、僕は大学へ向かった。


毎日通う大学は、ここからとても近い。


両親には、もっと良い大学に進学しろと、散々、言われたけど…


僕は、その両親の思いを跳ね除けた。


どれだけ、自分の実力より、偏差値が低くても…


どうしても、そこに入りたかったんだ。


大学選びの動機は…


とても不純だ。


そう、本当に、どうしようもないくらい不純。


いつでも…


姉さんに会えるから。


ただ…


それだけの理由だった。


一人暮らしの家から、自転車で行ける距離にある大学、しかも、その途中に兄さんの家がある。


好きな時に、顔を出せる…


僕は、その思いだけで、そこを受験しようと決めた。


ただ、そう思っていただけなのに、思いがけず、姉さんが、


『大変だろうから、毎朝寄ってくれれば、朝ご飯作るから』


って、言ってくれて…


驚いたけど、正直、とても嬉しかったんだ。
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