僕の1番大切な人【リニューアル版】
姉さんへの想い
姉さんの居場所?


兄さんは、僕に、姉さんの居場所を教えたんだ。


僕は、悩む間もなく、とにかく、ホテルに急いで向かった。


勝手に、足が動いたんだ。


『まるでストーカーだな』


そう自分で言いながら、ホテルの前までやってきた。


走ったから、少し息が切れている。


兄さんは…


居場所を教えて、僕に、姉さんを託したんだ。


自分は、あの女性と一緒になるつもりなのか?


どちらにしろ、兄さんは…自分を愛してくれている姉さんを、捨てたんだ。


僕は、姉さんに告白するべきか?


こんな状況で告白なんて、確かにズルいよな…


それでも、好きだって言うべきなのか?


どうしよう、部屋まで押しかける?


ここで待つのは、本当のストーカーだ。


夢中で来たものの、やっぱり最後まで優柔不断だな、僕は…


『凌馬…君?』


ハッとして、聞き馴染みのある声の方に振り向いた。
< 75 / 96 >

この作品をシェア

pagetop