僕の1番大切な人【リニューアル版】
『いいよ、言わなくていい。わかってるから。姉さんの気持ちは、ちゃんとわかってるから』


姉さんの言葉を遮るように、僕は言った。


フラレた…


『でもね…』のあとは…


簡単に想像がつく。


うん、それで…いい、それでいいんだ。


『ありがとう、姉さん、今まで僕に優しくしてくれて、本当に感謝してる』


『私こそ。凌馬君がいてくれたおかげで、いっぱい楽しい時間を過ごせたから』


『…姉さん、これからどうするの?』


一番、気になっていることだ。


『…あの人と離婚の話し合いをして、いろいろ終わったら、実家の近くに住んで、ゆっくり暮らそうと思う。母も一人だし、近くにいてあげたいしね』


『そっか…でも、都内だし、また会えるかな』


『…そうだね、会えるといいね』


複雑な気持ちだ。


寂しい…


本当に、このままサヨナラしていいのか?


姉さんがいなくなった後の世界で、僕は…
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