僕の1番大切な人【リニューアル版】
教室までは、結構、長い道のりだ。


いつもと何も変わらない景色。


大学に対して、特別、嫌な事がある訳ではないのに…


僕は、また…


小さくため息をついた。


いったい、1日に何度ため息をつけば気が済むんだろう。


自分でも嫌になる。


教室に入って、椅子に座ると、いつもの声が聞こえた。


『凌馬!』


僕は、その声の方に振り向いた。


『ユウ、お前、朝から元気よ過ぎない?』


『なんだよ、凌馬、元気ないのか?』


ユウとは、高校からの同級生で、なんやかんやで、一番仲が良い。


友達はたくさんいるけど、確かに、何でも話せるのは、ユウだけかも知れない。


そう言うのを、たぶん、親友って言うんだろうな。


ユウは、頭がいいくせに、なぜか、僕と同じ大学に入って来た。


理由は、特に無いらしいけど。
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