僕の1番大切な人【リニューアル版】
『素敵ね。嬉しいわ。若い人には未来があるもんね。本当に好きな人と一緒に、未来を歩いて行けたら、すごく幸せだよね。凌馬君、良かったね』


姉さんだって…


まだまだ若いじゃないか。


本当はまだ…


姉さんのこと、 忘れられないよ…


5年経っても…僕の心の中には姉さんがいる。


この気持ちだけは、自分でもコントロール出来ないんだ。


彼女のことも、本当は言いたくなかった。


でも…


言ってしまった…


姉さんに、余計な心配をかけたくなかったからだ。


それに、いつまでも未練たらしい男だと思われるのも、正直、嫌だった。


『ねえ、凌馬君。凌馬君の彼女は、どんな人なの?』


姉さんが、僕に聞いた。


なぜか、嬉しそうだ…


『…普通の人だよ』


『きっと、凌馬君の彼女さんなら可愛いんでしょうね。凌馬君は優しいから、彼女さん、幸せね』


姉さん…


時々、まだ、姉さんを思い出す自分がいる。
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