完璧王子の裏の顔。






私…篠原くんの事───





好きなんだ。初恋だったんだ。





篠原くんは──銀河は、私の大事な幼なじみだったんだ。





小学校の頃、銀河が遠くに引っ越しちゃって悲しくて辛くて、いつの間にか忘れちゃってたんだ。





「ねぇ篠原くん。返事、今してもいい?」





銀河の胸をゆっくり離して見上げる。





「やっと思い出した。私も好きだよ──銀河」





「……!っ、ずるいだろ、それは」





銀河がそう呟いて





「んっ……」





──私のハジメテを優しく奪った。
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