完璧王子の裏の顔。
え?
「うん」
「そっかー」
ごめん小町、わかんなくて。だけど私なりに考えたんだよ?
だけど考えれば考える程余計わかんなくなっちゃって。
「いいの!それよりさ、小町今日結弦先輩と待ち合わせじゃなかったっけ?」
何とか誤魔化したくて話を逸らす。
「あーそうだったー!」
小町は自分の腕時計を見て焦った表情をした。
「やっば!もう行かないと···それじゃ愛深、私もう行くけどあんまり無理しちゃダメだよ!また何かあったら話聞くからね!」
「うん!ありがとー!小町も気をつけて!」
小町は私に笑いかけたあと、黒くてなびやかな髪を風にのせて歩いていった。