完璧王子の裏の顔。




あー…図書委員さん来ちゃった…急いで本探さないと…



でも借りたいのあんまりなさそうなんだよね…どうしよう。
違う日に出直そうか。



そうしようと立ち上がろうとした瞬間、また図書室の扉が開く音がした。



え、また図書委員さん?鍵当番の人は1人ずつで1日ずつ交代制のはず。



私1学期で図書委員やった事あるから覚えてるもん。



鍵当番の人は職員室にいる先生から鍵を預かってここまで鍵を閉めに来て終わったらまた鍵を返しに職員室に行くの。



だから2人が図書室に鍵を閉めに来ることはないと思うんだけど…今来た人も本借りにきたのかな?






恐る恐る近くの本棚から顔を覗かせるとそこにいたのは同じ歳であろう男の子と女の子だった。




遠くからって言うのもあってしっかりと見えるわけではないんだけど、男の子の方は雰囲気がキラキラしてるように見えるな…



まるで王子様みたいな雰囲気。



窓から差してる夕日で顔が反射してるし距離が近くないからしっかり見える訳ではないんだけど、女の子と男の子が向き合ってるの…すごくロマンチック。



というか、絵になる。




でもなんだか女の子の方はソワソワしてない?



女の子はなんだかほんのり耳が赤いような…



もしかして私、ここにいちゃまずい感じ?



ど、どうしよう···今から私がとびでちゃったら雰囲気台無しになっちゃうし···



私がどうしようか悩んでいると女の子のか細い声が聞こえた。



「あの···私っ、篠原君の事が好きです!私と付き合ってくださいっ!」



わっ···やっぱり私、ここにいない方が良かった···



告白の現場を盗み聞き?盗み見?してしまった…。

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