完璧王子の裏の顔。






あぁ···ごめんなさい、2人共。



2人のとっても大事なお話を私が聞いてしまっていたなんて知ったら2人はなんて思うんだろ…



でも"篠原"ってどこかで聞いたような……どこだっけ、?




私が篠原という単語を思い出すべく内心唸っていると篠原という人が口を開いた。



「ごめんね。今は彼女とか作るつもりはないんだ」



「………っ」



そうなんだ…でもなんでだろ…?



「···そ、そっか。ごめんね急に。話聞いてくれてありがとう」



女の子は声を震わせながら駆け足で図書室を出ていった。



なんで告白断ったんだろう···今は高校生。つまりは彼氏彼女がいてもおかしくはない年代のはずなのに···



女の子が図書室を出ていく時にちょっと顔見えたけど結構…いや、かなり可愛かった。



私がもし男子であの子に好きって言われたらOKするのになぁ…。



気になる人がいるとか?だとしたら『他に好きな人いるからごめんね』って言うはずだよね?



「はぁ…めんどくせー。ちょっと顔よく見せただけで次から次へと好きだ好きだ、付き合ってって…俺の事よく知りもしないくせに。まじだるいわ…」



は、?めんどくさいって何それ…今の発言ってすっごい失礼じゃない?



ありえないんだけど…。



今の独り言を聞いてイライラMAXになってしまった私の元に人の影が近づいてきたかと思えば上から声がした。



「……そこのおねーさん。そこで何してんの?告白の盗み聞き?やらしー」



「なっ、何って私は本を借りに───」



………?



ゆっくりと視線をあげるとキレイな男の子の顔が。しかもドアップ。



「………っ!?」



びっくりして言葉が出ず、思わず後ずさりそうになってしまった。



あれ、でもこの顔どっかで…どこだっけ?



目の前の顔をよーく見てみる。



ミルクティー色のサラッとした髪に肌白ろで顎がシュッとしてる。



スっと高く通った鼻筋、切れ長の二重に長いまつ毛の下には青緑の瞳が私の視線を釘付けにする。



薄い唇に左耳には銀色のリングのピアスがついてる。



まさに完璧。さすがの私でもわかる。これはイケメンに分類されるお方だと思われる。



んんん…、この顔は……っ!



「あんたもしかして…王子っ!?」



私はイケメン好きな親友・杉本小町(すぎもとこまち)が教えてくれた話を思い出した。





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