となりの一条三兄弟!


それから午後の授業が終わって放課後。

なぜか日直でもないのに、担任から雑用を押し付けられていた。おそらく私が暇人に見えたのだろう。

職員室にプリントを届けたあと、オレンジ色に染まっている廊下をひとりで歩く。


……なんか今日は色々なことがありすぎて疲れたな。

学校の雰囲気も新しい校則のせいでピリピリしてるし、生徒たちも罰則されないようにと怯えていて、みんな元気がない。

……なんとかならないものかな。

うーんと頭を悩ませていると、前を歩いていた生徒がなにかを落とした。

どうやら本人は気づいていないようで、そのままスタスタと歩いている。


拾い上げたのは黒い生徒手帳だった。

私を含むほとんどの生徒は赤色だ。こんなの見たことがないと驚いていると、表紙に《生徒会》という文字が刺繍されていて、納得した。

……生徒会って、手帳の色まで違うんだ。

ますます特別扱いされているなと呆れながらも、この手帳を持っているということは、落とした生徒は生徒会に所属してることになる。

あんまり関わりたくないけど、見つけちゃったし、拾っちゃったし……と、複雑な気持ちで、前を歩いている生徒に声をかけた。
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