となりの一条三兄弟!
「あの三兄弟は風紀を乱すゴミでしかない」
「ゴ、ゴミ……?」
気づくと私は拳を握りしめていた。
「それにグラウンドを走ったことだって本人から抗議はなかったし、罰則を受ける対象であることを自覚してるってことだろ?」
「そ、それは後輩を庇ってるからで……。そもそもこんな暑い気温の日に5周もさせるなんてどうかしてるよ」
すると、霧島くんの口元が怪しげに緩んだ。
「罰則内容としてはそんなに珍しいことじゃない。それとも一条昴がグラウンドを走ってはいけない理由があるのか?」
「それは……」
「たとえばそうだな……。日光が苦手、とか」
ドクンッと心臓が音を立てた。
偶然?それとも当てずっぽうで言っただけ?
どっちにしても危険だと思った。
霧島禄に近づいてはいけない。関わってはいけないと、私の細胞が叫んでいる気がした。