となりの一条三兄弟!


「……聖はその、昴さんが生徒会の人たちに走らされたって知ってる?」

「女たちが噂してたから、なんとなく知ってるよ」

「ひどいよね……」

「あんまり首突っ込むなよ。あんなやつら放っておけばいい」

「うん……」

返事はしたものの、イヤな予感は消えない。

霧島くんはなんとなく、聖たちに目を付けてる感じだったし、これ以上理不尽な理由で罰が向かなければいいけど……。


「んで、お前はなにしに来たの?」

「ああ、そうそう。これお母さんから!」

本来の目的を思い出して、私は聖にタッパーを見せた。


「良かったら晩ごはんにって。あ、でも晶くんがコンビニに行ってるんだよね?今日食べなくてもこのまま冷凍しとけば明日でも食べられると思うから」

「いや、コンビニ弁当よりこっちのほうがうまそう」

聖がタッパーからおかずをひとつだけ摘まんで、それを口の中に入れた。

もぐもぐと食べている聖は少し可愛い。


……ああ、こんな時、実は私が作ったんだ!とか言えたらよかった。

そしたら褒めてもらえるかもしれないし、聖が喜んでくれたら、絶対に1週間はニヤニヤが止まらない。……とか考えちゃってる私って本当にバカかもしれない。

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