となりの一条三兄弟!
「そういうの迷惑だからやめてくんないって。俺たちが誰と話そうと縛られる権利はない。だからそれであいつを傷つけていい理由にはならないから、マジでやめろって」
「………」
「けっこう真剣な顔で怒ってくれてたよ」
それを聞いて、また胸がぎゅっとなる。
聖は無関心なように見えて実はちゃんと見てるし、人一倍思いやりが強い人だ。
だから私はいつも見てしまうし、ずっと目で追ってしまうんだと思う。
「一条くんって無口で冷たいイメージしかなかったら、それ見てちょっとキュンッとした」
「……え、ま、まさか景ちゃん」
「あはは、ないない。私年上の人しかムリだもん。っていうか茉莉こそ、一条くんのことが好きでしょ?」
「え、す、す……っ」
動揺で、上手く言葉が返せない。
誰かに聞かれてないか無駄に挙動不審になって、目が魚のように泳いでしまう。
そんな私を見て景ちゃんが「はあ……」と軽いため息をついた。
「これでも茉莉のこと親友だって思ってるから、大体分かるよ。……あと、あの三兄弟になにか秘密があることも」
またまたドキッと心臓が速くなった。
「これはただの勘かな。あの人間離れした容姿とオーラにはなにかありそうだし、三人と茉莉が突然急接近したのも家が隣同士って理由だけじゃないのかなって」
「………」
「あ、でも別に聞かないよ?首を突っ込むつもりもないしね」
きっとこれは景ちゃんなりに言えない事情を察してくれている優しさだと思う。
「でも困ったことがあったら言ってね。あの三人のためじゃなくて、茉莉のためならなんでもするからさ」
「うう……景ちゃんっ」
景ちゃんとは性格や思考も真逆だけど、それでもこうして友達以上の絆ができて本当に嬉しい。
私にとっても景ちゃんは本当に大切な存在だから。