となりの一条三兄弟!
授業が終わって放課後になった。
クラスメイトたちが帰宅していく中で、「茉莉ー。今日の帰りにどっか寄ってく?」と景ちゃんが遊びに誘ってくれた。
「ごめん!私現文のレポートやり忘れちゃって。今日中に出せば点数引かないっていうから図書室でやっちゃう」
「そうなの?待ってようか?」
「時間かかりそうだから大丈夫」
「分かった。じゃあ、また今度ね!」
景ちゃんを見送って私は図書室に向かった。
本当は教室でやるつもりだったけど、男子たちが残っていて集中できそうになかったから。
図書室はとても静かだった。
読書家でもないので普段は滅多に利用しない場所だけど、本の匂いも少し緊張感がある空間も嫌いじゃない。
私は早速、空いていたカウンター席に座って、レポートを広げた。
シャーペンを手に取って髪の毛を耳にかけた瞬間、背後から足音がして振り返る。
「よう」
「こ、聖?」
教室にカバンがなかったから、てっきり帰ったと思ってた。
「俺もレポート。面倒だけどこれ以上サボるとヤバいって言われた」
聖はそう言って、私の隣の席へと腰をおろした。