となりの一条三兄弟!



授業が終わって放課後になった。

クラスメイトたちが帰宅していく中で、「茉莉ー。今日の帰りにどっか寄ってく?」と景ちゃんが遊びに誘ってくれた。

「ごめん!私現文のレポートやり忘れちゃって。今日中に出せば点数引かないっていうから図書室でやっちゃう」

「そうなの?待ってようか?」

「時間かかりそうだから大丈夫」

「分かった。じゃあ、また今度ね!」

景ちゃんを見送って私は図書室に向かった。

本当は教室でやるつもりだったけど、男子たちが残っていて集中できそうになかったから。

図書室はとても静かだった。

読書家でもないので普段は滅多に利用しない場所だけど、本の匂いも少し緊張感がある空間も嫌いじゃない。

私は早速、空いていたカウンター席に座って、レポートを広げた。

シャーペンを手に取って髪の毛を耳にかけた瞬間、背後から足音がして振り返る。


「よう」

「こ、聖?」

教室にカバンがなかったから、てっきり帰ったと思ってた。


「俺もレポート。面倒だけどこれ以上サボるとヤバいって言われた」

聖はそう言って、私の隣の席へと腰をおろした。

< 115 / 206 >

この作品をシェア

pagetop