となりの一条三兄弟!
……本当に見とれてしまうほど、整った顔をしてる。
彼の隣を歩いていい女の子は限られているだろう。
私はちんちくりんだし、丸顔だし、油断するとすぐに太る体質だし。全然、ちっとも釣り合う要素なんてないけれど……心で想うくらいなら許されるかな。
「あんまり見られてると、やりづらいんだけど」
私の視線に気づいた聖が困った顔をしていた。
「ご、ごめん」
聖はどんな女の子のことが好きなんだろう。
自分の気持ちはまだわからないけど、私は彼の前だと平常心ではいられなくなる。
そんな脳内が花畑になりつつある中で、聖は昨日の話題について触れてきた。
「お前、けっこう気にしてただろ」
それがなにを指しているのかは説明がなくてもわかる。私が気にしていたのは、聖に『くさい』と言われたことだ。
もう、せっかく忘れかけてたのに……!
「アレは本当にそういう意味じゃなかったんだ。でもお前がけっこう落ち込んで帰ったからずっと気になってて」
「……気にしてくれてたの?」
「まあ」
昨日のことがチャラになるぐらい嬉しい。