となりの一条三兄弟!


こんなことしちゃいけないって分かってるけど、少しだけ顔を見るだけ。

大丈夫だったらそれでいいし、とにかく心配だから……。

私の短い足が危うく隙間に引っ掛かりそうになったけど、なんとか無事に聖の部屋のベランダに降りることができた。

ゆっくりと窓に手を伸ばすと、鍵はかかっていなくて簡単に開いてしまった。

これって、不法侵入になるのかな……。

ごめんなさい、あとでたっぷり怒られるので今は許してくださいと無意味に念じて、私は聖の部屋に入った。

ふわりと香る、聖の匂い。私に鋭い嗅覚はないけど、やっぱり彼の香りは心地いい。

足音を立てずにベッドに近づくと……聖が赤い顔をして寝ていた。


「聖……」

その額に手を当てると火傷しそうなぐらい熱かった。体温的にたぶん39度は越えている。

汗もかいてるし、なんだかすごく苦しそうだ。

ど、どうしよう……。

とりあえず冷やすもの!水枕があれば用意して、あとは両脇を氷で冷やしてそれから……と、準備しようとすると――。


「……わっ!」

突然、グイッと聖に腕を掴まれて、私はそのまま胸の中へ。

< 135 / 206 >

この作品をシェア

pagetop