となりの一条三兄弟!
なにが起こったのか分からないけど、聖の心臓の音が洋服を越えて聞こえてくる。
「えっと……こ、聖?」
呼び掛けると聖は体勢を変えて、いつの間にか彼の熱が残っているベッドに私は倒されていた。
聖の顔が上にある。私の顔の横に彼の大きな手があって、ドクンドクンと心臓がうるさい。
「こ、聖、どうしたの?」
私はわざと明るく聞いた。
だって聖はこんなことをする人じゃないし、たとえ冗談でも押し倒したりなんてしない。
そう思っていると、再び――ドクンと心臓が跳ねた。
私の足をなぞるようにして、聖の指先が触れている。
くすぐったいというより、恥ずかしくて、彼の指先はゆっくりと太ももまで上がってきた。
昴さんや晶くんとは違う触りかた。
大胆だけど、繊細で優しい指使いが私の体をゾクゾクと敏感にさせていた。
「……っ、こ、聖」
これ以上はダメだと、私は聖の手を掴む。
私が熱いのか聖が熱いのか分からないほど、体温が上昇していく。