となりの一条三兄弟!
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週明けの月曜日。朝食のジャムパンと目玉焼きを食べて、玄関のドアを開けた。
「茉莉ちゃんおはよう」
「まりりん、今日も可愛いね!」
昴さんと晶くんは相変わらずキラキラしてて、眩しい。ふたりに挨拶を返しつつ、私の視線は聖のほうへ向く。
どうやら風邪は治ったらようで、とても元気そうな顔をしている。
それはよかった。それはよかったんだけど……。
「ん?なに?」
目が合って、聖が不思議そうにしていた。
この表情からして、昨日のことをなにも覚えてないらしい。
熱もあったし、意識が朦朧としてたことも分かっているけど、私はもちろんすべてを覚えている。
聖のことを見ると、ドキドキがとまらない。
あれから脳内で何回もあの光景をリピートしては身体が熱くなって……私は一睡もできなかった。
「こら!聖!たまには茉莉ちゃんにおはようぐらい挨拶したらどうだ?」
「そうだそうだ!まりりんおはよう、ぎゅーっぐらいしてみろ!」
よく分からないふたりのお説教がはじまった。しかも晶くんに至ってはまた後ろから抱きつかれている。
やっぱり聖と手の感触が違う。
あの時はもっとこう……って、なにを考えてんの私……!
「ああ、おはよ」
聖はふたりに言われたから仕方なくって顔で挨拶してきた。