となりの一条三兄弟!
ふたりは一触即発の雰囲気。ピリピリとした空気が痛いぐらいだ。聖は霧島くんの胸元に付いている校章を見ていた。
それは生徒会長だけが付けられる金バッジ。
「お前が霧島か?」
「親しくなった覚えはないのに、ずいぶんと馴れ馴れしい言い方だな」
いつの間にか窓の外にはカラスたちが集まっていた。まるで霧島くんの指示で動いているかのように。
――霧島くんは、八咫烏の末裔。
昴さんが言ってことは、おそらく当たっている。
窓から反射しているカラスたちの影と霧島くんが重なって、大きな鳥のようなシルエットが廊下に浮かびあがっていた。
聖もそれを感じ取っていた。周りにいるカラスにも気づきながら、あえて冷静に言葉を返す。
「お前も俺たちと同じなんだろ?」
それを聞いた瞬間、ポーカーフェイスの霧島くんの眉が少しだけ動いた。
「は?同じ?お前たちのような西洋の化け物の血と一緒にするな。こっちは神聖な神の遣いの血だぞ」
「ふーん。で?」
「……っ」
きっと冷静さなら聖のほうが勝っている。私だと口で言い負けていたけど、これだったら……。
すると霧島くんはなにかを思い出したように、不適な笑みを浮かべた。