となりの一条三兄弟!



そして次の日。いつもの時間に家を出ると、三兄弟が私のことを待っていてくれた。


「茉莉ちゃん、おはよう。これお弁当。中身は開けてからのお楽しみ」

「まりりん!今日一緒にお昼食べたいな!あ、景ちゃんも一緒でもいいよ!みんなで食べたほうが美味しいしね♪」

相変わらず昴さんは本当のお兄ちゃんみたいだし、晶くんは朝からくっついてきて可愛い。

そんな変わらない日常の中で、今日はちょっとした変化もあった。


「おはよ」

誰かに言われたわけでもなく、聖が目を見て挨拶してくれた。それだけで普通の毎日がハッピーになる。


「うん!おはよ!」

「声でか」

「あ、ごめん。ついテンションが上がって……」

本音をぽろりともらすと、すかさず後ろから晶くんが体重をかけてきた。
 

「なんで聖にいだとテンションが上がるの?」

分かりやすく不満そうに口を尖らせている。


「たしかに今のは納得いかないな。俺はこんなにも茉莉ちゃんに尽くしてるのに……」

「す、昴さんまで?お弁当感謝してますよ!本当に毎日嬉しいです!」

「お弁当だけかあ……」

なぜかふたりが隣でため息をついてるけど、聖はお構い無しにスタスタと歩いていく。
 

「冗談ばっか言ってるなら先いくぞ」

やっぱりクールも忘れない。

昴さんのことも晶くんのことも大好きだけど、それはラブじゃない。
 

――私は聖のことが好き。

昨日、星空の下で弱さを見せてくれて、受け止めてあげたいと彼を抱きしめた時に、ようやく実感した。

 
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