となりの一条三兄弟!


***


それから数日が経って、私たちの日常は元どおりになった。

清々しいほどの青空の下で、私はお弁当を広げる。今日はみんなで中庭に集まって、お昼ごはんを食べていた。


「っていうか俺、霧島のことまだ許してないからね!」

私と同じように昴さんが作ってくれたお弁当を食べながら、晶くんが口を尖らせていた。

相変わらず目がチカチカするほどの派手なTシャツを着ている。中庭の緑が霞んでしまうほどだ。


「昴兄さんも許してないよね?」

同意を求めるように、晶くんが話を振る。


「まあ、今度なにかしたら体の血を全部吸って、鶏皮にしようと思ってるぐらいかな」

優しい顔で昴さんがとんでもないことを言うから、どうやら昴さんもまた霧島くんのことを許してはいないみたいだ。


あの一件のあと、霧島くんは晶くんと昴さんにかけた術を解いてくれた。

そこで素直に謝れば良かったものの……霧島くんは『睡眠時間がたっぷり取れて良かったな』なんて、また嫌味を言うから、関係はまだこじれたままだ。

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