となりの一条三兄弟!
「俺、思ったんだけどさ、霧島ってただ単に女に慣れてないだけなんじゃないの?」
晶くんが悪い顔をして言っていた。
「たしかに霧島の場合は、動揺や心の乱れで変異しやすくなるのかも。そう考えると晶の言うとおりかもしれないな」
昴さんもその言葉に乗っている。
霧島くんが女の子に慣れてない?
考えてみれば、今まで人間を毛嫌いしていて接する機会もなかっただろうし。
もし本当に女の子に触られて、動揺から変異する体質だとしたら……。
ちょっとというか、だいぶイメージが変わる。
「勝手に人の噂をするな。透明人間に吸血鬼」
と、その時、私たちの背後から声が聞こえた。気づくと霧島くんが不機嫌な顔をして立っていた。
「げっ、出た」
晶くんは露骨にイヤそうな表情をしている。
「あのさ、その呼び方やめてくれないかな?周りから勘づかれたらヘンに思われるだろ」
「勘づかれるような行動をしなきゃいいだけの話だ」
大人な昴さんも霧島くんとはこんな調子。
仲良く……できるかどうかは分からないけど、もうあんな争いごとが起きないことだけを今は祈るのみだ。