となりの一条三兄弟!
「あ、そんなことより佐崎」
霧島くんが思い出したように、私の名前を呼んだ。
「え、な、なに?」
口に入れようとした卵焼きがピタリと止まる。そして……。
「また俺とキスしろ」
「……なっ!」
思わず、大きな声で反応してしまった。
な、なにをいきなり言い出すの!?
霧島くんの言葉に、三人が怖いぐらいにピリッとしている。
「こういうのは徐々に体質を変えていったほうがいいらしい。協力すると約束しただろ」
「約束なんてしてないし!それにあのキスは霧島くんが一方的に……」
言いかけた唇を止める。マズイと思った時にはすでに遅くて、晶くんと昴さんがじりじりと私に詰め寄ってきていた。
「ちょっと、まりりん、どういうこと?」
「茉莉ちゃんと霧島がキスって……」
あーあ、どうしよう。
結局その事実は三人には言えなかったし、私的には忘れたいことだったというか……できれば一生隠し続けておきたかった。
「ち、違うの!あれは事故?ではないけど強制的に、あっという間に……」
「ふん、お前らはまだしてないのか。ガキだな」
せっかくふたりを落ち着かせようと思ってるのに、霧島くんはわざと煽るような言い方をしていた。
「は?無理やりしたのなんてカウントされないし!」
「茉莉ちゃんの気持ちを考えないでするなんて最低だな」
「……なんだと?」
三人が口論してる内に、私はその場から逃げた。