となりの一条三兄弟!
中庭から静かな場所に移動して、気づけば校舎裏の動物小屋の前に来ていた。
なんだか懐かしいなあ……。
思えば三兄弟との関係は、ウサ子とウサ吉の失踪事件からはじまったんだっけ。
「おい」
声がして振り返ると、そこには聖の姿があった。どうやら私のことを追ってきてくれたようだ。
「お前にまだ礼を言ってなかった。あの時、止めてくれてありがとうな」
あの時は無我夢中で、自分がなにをしたのかも記憶は途切れ途切れだ。
ただ、聖はことだけは失えないと思った。それに応えるようにして、彼が自分の血に打ち勝ってくれた。
「私もたくさん聖には助けてもらってるし、お礼なんていらないよ」
――『俺はお前を守るために狼になる』
そう言ってくれたこと、本当に嬉しかった。密かに私の宝物にしようと思っていたりする。
すると、聖がなにかを言いたそうに、じっと私の顔を見ていた。
「な、なに?」
もしかしてヘンな顔してた?それとも顔になにか付いてるとか?
ひとりであたふたとしていると……。
「お前は隙だらけだな。だから霧島にあんなことをされるんだ」
聖が深いため息をついていた。