となりの一条三兄弟!


「ほ、本当に防ぎようがなかったの!それに私のファーストキスは……」

と、口が滑りそうになって慌てて止めた。


無意識だったとしても、記憶に残ってなくても、私は聖とのキスは絶対に忘れない。


「イヤだったのか?霧島とのキスは」

「当たり前でしょ!」

「ふーん」

あれがファーストキスだったら確実に泣いてた。むしろ今でも立ち直れてないかも……。


「じゃあ、俺とのキスはイヤじゃなかった?」

「……え?」

聞き間違いかと思って聞き返す。


「ま、待って。俺とのキスって……?」

聖としたのはあの1回だけだ。あの時の聖は意識が朦朧としてて、それで……。

色々と頭を整理しながらたどり着いた結論。もしかして……。


「まさか覚えてたの?」

次の日にはなにごともなかったような顔をしてたし、そんな素振りもなかった。

だから私だけドキドキが止まらなくて虚しい気持ちになったりもしていた。
 

「誰も忘れたなんて言ってない」

聖がぶっきらぼうに言う。
  

< 192 / 206 >

この作品をシェア

pagetop