となりの一条三兄弟!
「このこと誰にも言うなよ」
脅すような、諭すような瞳だった。
「い、言わないよ!っていうか言っても誰も信じないだろうし」
まあ、人間離れした美しさはみんな知ってるけど、まさか吸血鬼や透明人間や狼男だなんて世界中の誰もが想像すらできないことだ。
「私の他に何人がこのことを知ってるの?」
「血縁関係がある身内だけ。あとは誰も知らない」
「え?仲のいい友達とか……ほら、小学校とか中学校の知り合いとかは?」
「友達はいない。兄貴も晶も今まで誰にも言ったことはなかったよ。そうやって隠して生活してきたんだ」
きっと色々な苦悩があったと思う。今の私じゃそれを理解してあげることもできないけど。
「だからお前だけ」
「え?」
「俺たちの秘密を知ってるのはお前だけだ」
その射るような瞳に、ドキッと胸が熱くなる。
目が逸らせない。
そのサラサラとした黒髪が風で揺れるのでさえ、今はスローモーションに感じるくらい刻が止まって見えた。
「な、なんで私なんかに……」
「たぶん限界だったんじゃねーの。本当のことを隠して生活していくことが」
すると寂しげな返事が隣から返ってきた。
「それでたまたま新しい場所に引っ越して、知り合いも環境も変わって。んで、たまたま打ち明けたいと思う相手がお前だったってだけの話だろ」
一条聖が飲み物を飲みながら、星空を見つめた。
「まあ、そんな重荷を勝手に背負わされたお前には同情するけど」
「重荷じゃないよ!」
考える暇もなく気づけば大声でそんなことを言っていた。
いつもポーカーフェイスの彼の顔が驚いた表情に変わる。