となりの一条三兄弟!
ワケあり三兄弟と××な日常
次の日。スマホで設定したアラームが鳴って、いつもどおりの朝を迎えた。
まだ昨日の余韻が続いていて夢の続きでも見ているような気分だ。
気を抜けば寝てしまいそうな睡魔を必死で打ち消して、ゴロンと体勢を変えると目の前には顔があった。
「まりりん、おはよ」
「きゃあ……んんっ!」
ビックリして悲鳴を上げそうになったけど、それを晶くんが手で制止する。
「大声を出したら、まりりんの両親に気づかれちゃうでしょ」
なぜか馬乗りにされて口を押さえられている状況。
頭が回らないのは寝起きだからではない。
「な、なんで晶くんが私の部屋にいるの?」
しかもベッドで添い寝をするように横になっていた。普通なら不審者で警察に通報してるレベルだ。
「うーん、今日はなんだか早起きしちゃって。まりりんの顔が見たくなったから遊びにきた」
色々とツッコみたいところが山ほどあるんだけど……。
「……っていうか、どこから入ってきたの?」
私は晶くんと距離を取って窓の鍵を確認した。
……鍵はちゃんと閉まってる。
「あー違う違う。ベランダからだと聖にいの部屋を通ることになるし、さすがにそれじゃバレちゃうから普通に玄関から」
「え、玄関!?」
「うん。だって鍵開いてたし」
「………」
……お母さん。ゴミ出しに行ってそのまま鍵を閉めてなかったんだ。
これが本当にヤバい人だったらどうするの。無用心だな……。
そもそも考えてみたら晶くんは透明人間なんだから、家に侵入することも容易いわけで……。
ああ、昨日は普通にこのことを受け入れてしまったけど、色々とこの先が不安すぎる。
むしろイタズラっ子の晶くんが透明化できるなんて、そんなの反則というか不条理すぎるよ……。