となりの一条三兄弟!
「きゃー!一条くんたちが来たよ!!」
正門を抜けるとすぐに聞こえてくる黄色い声援。
すっかり忘れていたけど、この三人はアイドル並みに大人気だったんだ。
別のインパクトが強すぎて呑気に一緒に登校してきちゃった。
「つーか、あの子だれ?」
案の定、女子たちの視線が私に向く。
まだ隣同士の家だということはバレてないみたいだけど、三人と並んで歩く私への嫉妬心がメラメラと燃えているのがひしひしと伝わってくる。
当たり前だけど三人のオーラが凄すぎて、私なんてミジンコ以下だからあまり見ないでほしい……。
「あれ、お前の友達じゃね?」
亀のように首を縮めていると、聖が自転車置き場のほうを指さした。
そこには景ちゃんの姿があった。今はすごく女神のように見える……!
「け、景ちゃーん!」
泣きつくように景ちゃんの元へと駆け寄った私は、なんとか女子たちの視線から逃れることができた。
「ん?どうしたの?」と、景ちゃんの声を聞いたら急に冷静になり、後ろを振り返る。
昴さんと晶くんは女子たちに挨拶を返したりして笑顔を浮かべてるけど、聖だけはその群れをイヤそうな横目でスルーして、ひとりで昇降口に向かっていた。
……また助けられちゃった。
そういえばお礼も言いそびれてる気がする。